注射型インフルエンザワクチン(国産不活化ワクチン)
インフルエンザは、例年12月~3月ごろに流行し、例年1月末~3月上旬にかけて流行のピークを迎えます。
ワクチン接種後は、免疫がつくまでは3週間程度かかると言われています。
したがって、流行が始まる前の10月ごろから開始して、遅くても12月中旬までにはワクチン接種を終えておくのがよいでしょう。
インフルエンザウイルスの流行する型は毎年変わります。また罹患しても、ワクチンを接種しても、終生免疫は得られないため、罹患を予防するには毎シーズンのワクチン接種が必要となります。
接種回数
- 生後6か月~3歳未満の方は、0.25mlを2週間から4週間の間隔をあけて2回接種
- 3歳~13歳未満の方は0.5mlを2週間から4週間の間隔をあけて2回接種
- 13歳以上の方は0.5mlを通常1回接種です。
その他ワクチンとの接種間隔
生ワクチン、不活化ワクチンともに、その他のワクチンとの接種間隔には制限はありません。
フルミスト(痛くないインフルエンザワクチン)
※今シーズンのフルミストは完売となりました(10/2)。
フルミストは、直接鼻の中へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。
痛みなく接種することができるのが最大の特徴です。
①鼻咽頭粘膜からのウイルスの侵入を防ぐ ②体内に侵入したウイルスを攻撃する、の両方の免疫が得られると考えられています。
欧米では広く接種されているワクチンで、15年以上の安全な実績があります。
日本でも2023年に厚労省から正式に製造販売が承認され、今シーズンより国内承認された点鼻ワクチンの接種が可能となります。
特徴
- 痛くない
- 効果が長持ちする:効果の持続が長く、おおよそ1年と言われています。
- 流行の株以外も予防できる:フルミストはウイルス活性を低下させて作った生ワクチンのため、流行しているインフルエンザと株が違っても、発症を予防したり軽症化させる作用があると考えられています。
- 予防効果が高い:インフルエンザウイルスの主な侵入経路である鼻腔で直接免疫をつけるため、注射タイプと比較してより高い発症予防効果が得られます。特に小児では予防効果が高いと言われています。
- 注射タイプの不活化ワクチンとフルミストを1シーズンに両方使用していただくことも可能です。受験生など、ご希望の方はご相談ください。
注意点
- 接種後、50%程度の方で軽い感冒症状(鼻水や咳)を認めます。また約10%の方で微熱を含めた発熱を認めることがあります。
- 下記に記載する接種の条件があります。
接種対象となる方
- 2歳以上、19歳以下
- 接種回数は1回です。
接種できない方
- 2歳未満、19歳以上(昨シーズンは49歳未満の成人の方も接種対象となっておりましたが、今シーズンより国内承認ワクチンを使用することになり、接種対象年齢が限定されました。ご了承ください)
- 5歳未満で、今までに喘鳴を指摘されたことのある方。1年以内に喘息発作のあった方
- 心疾患、肺疾患、喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経性疾患などの慢性疾患をお持ちの方
- 免疫不全者(がん治療中の方など)と接触を持つ方
- アスピリン内服中の方
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
- 重度の卵アレルギーをお持ちの方(卵摂取でアナフィラキシーの既往がある方)
- その他、医師が接種不適当と認めた方
予約方法
完全予約制です。オンラインからの予約をお願いいたします。お電話でのお問い合わせや予約依頼はご遠慮ください。
予約は接種希望日の2日前まで受け付けます。
接種可能日
2024年10月1日から接種開始となります。
- 月・火・木・金 一般診察の時間帯および、クリーンタイム
- 土曜午後にインフルエンザワクチン専用枠を開設いたします。
※すべてインフルエンザワクチン専用の予約タブからご予約ください。
※コメント欄への記載などでは、ご予約を承れませんのでご注意ください。
※13歳未満の方で、2回目の接種もご希望の方は、合わせてご予約をお取りください。
※ご家族での接種も承ります。ご希望の方はお子様と一緒にご予約ください。
※予約されていないご家族の、当日追加の接種希望にはご希望に添えない場合がございます。
※インフルエンザワクチン接種で受診される際は、その他の診察や処方のご希望には対応できかねます。(定期処方や外用薬の処方希望なども、別途、ご予約をお取りください。)
多くの方のワクチン接種に対応するため、申し訳ありませんがご理解のほどよろしくお願いいたします。
持ち物
- 母子手帳
- 港区からの接種券(予診票):必ず必要事項を記載してお持ちください。
(可能な限り、体温を測定してからご来院ください) - 港区の助成対象外の方は、こちらから予診票をダウンロードしてお持ちください。
※クリニックでも予診票を準備しておりますが、予めご記入いただき、検温の上、ご来院いただけますようお願いいたします。院内で記載される方は、待ち時間が長くなる可能性がございます。
※中学3年生までの方は、必ず保護者同伴の上、ご来院ください。
接種費用
- 注射タイプのインフルエンザワクチン
・港区の予診票(助成券)をお持ちの方:接種費用の自己負担はありません。
・港区の予診票をお持ちでない方:一律4500円/回
※他自治体の助成券は、ご利用いただけません。 - フルミスト:1回 7,700円(港区の助成対象外となります)
※今シーズンのフルミストは完売となりました(10/2)。
よくある質問
インフルエンザワクチンを接種したら、いつから予防効果がありますか?
接種後2-3週間後から徐々に予防効果が表れはじめ、小児の場合は2回目接種後1か月程度で予防効果がピークとなります。
インフルエンザワクチンの予防効果はどのくらい続きますか?
接種後1か月ごろに予防効果はピークとなり、その後徐々に低下していきます。おおむね4-5か月程度、予防効果があると考えられています。
家族がインフルエンザに罹患しました。症状のない兄弟の登園(登校)はどうなりますか?
症状のない兄弟の登園・登校の制限はありません。ただし、熱がなくても咳嗽や鼻汁、なんとなく体調が悪いなどあれば、無理をせずお休みをするようにしてください。
インフルエンザに罹患したら、登園(登校)許可証は必要ですか?
必要です。しっかりと解熱をしたら、医療機関を受診して許可証をもらってください。
コロナ禍の医療逼迫のため、時限的措置としてインフルエンザ罹患後の登園・登校再開にあたる許可証の必要がない対応となっていましたが、2023年11月1日より従来通り、登園・登校許可証の提出が必要となりました。
タミフル(あるいはイナビルの吸入など)を服用しましたが、解熱しません。効果がないのでしょうか?
抗インフルエンザ薬は、ウイルスがこれ以上体内で増殖することを抑制する働きがあります。薬を服用しない場合に比べると、半日~1日程度、発熱の持続時間を短縮すると言われており、内服してすぐに解熱をさせる効果があるわけではありません。
症状のつらい時は、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬(例:カロナール)を併用しながら安静にしてすごします。
家族がインフルエンザに罹患しました。今すぐワクチンを接種すれば予防できますか?
ワクチンの予防効果は接種後2-3週間後から現れます。今接種しても、今の感染を予防する効果はありません。